Cisco Packet Tracerを活用したネットワーク演習

Cisco Packet Tracerは,Cisco社が提供するネットワークシミュレータです。
無料で利用でき,ネットワーク構築を練習することができます。
このサイトでは,Packet Tracerの利用方法と,CCNA対策に役立つ演習シナリオを紹介します。

演習06VLAN

構成図

課題

L2SW1にVLANの,RにサブI/Fの設定を行うことで,PC1-2相互の,およびPC1-2⇔SV間の通信を可能にしてください。

なお,問題ファイルでは次の設定項目は完了しています。

パラメータ

●IPアドレス

ホスト名 I/F名 IPアドレス サブネットマスク
R G0/0/0.1 192.168.10.254 255.255.255.0
G0/0/0.2 192.168.20.254 255.255.255.0
G0/0/1 10.0.0.254 255.255.255.0

ホスト名 IPアドレス サブネットマスク デフォルトGW
PC1 192.168.10.1 255.255.255.0 192.168.10.254
PC2 192.168.10.2 255.255.255.0 192.168.20.254
SV 10.0.0.1 255.255.255.0 10.0.0.254

●VLAN

スイッチポート

ホスト名 I/F VLAN ID
L2SW1 F0/1 10
L2SW1 F0/2 20

トランクポート

ホスト名 I/F 許可VLAN
L2SW1 G0/1 10,20

手順

⑴ L2SW1でVLAN10・VLAN20を作成する。

⑵ L2SW1のF0/1・F0/2をアクセスポートとし,それぞれVLAN10・VLAN20をアサインする。

⑶ L2SW1のG0/1をトランクポートとし,VLAN10・VLAN20の通過を許可する。

⑷ L2SW1にVLANが作成されたことと,I/Fに適切なVLANがアサインされたことを確認する。

⑸ RのG0/0/0を有効化した上で,サブI/Fを作成し,IPアドレスの付与とVLANタグの設定を行う。

⑹ PC1⇔PC2間の,およびPC1-2⇔SV間のpingに成功することを確認する。

使用するコマンド

解説

VLANは,“virtual LAN”というその名の通り,レイヤ2の機器において仮想的なLANを作る技術です。スイッチを内部で論理的に分割し,VLAN10という「子スイッチ」とVLAN20という「子スイッチ」を作り出している,と考えると分かりやすいと思います。

⑴ L2SW1でVLAN10・VLAN20を作成する。

まず初めに,VLAN10・VLAN20という論理的な「子スイッチ」を作ります。

L2SW1# configure terminal
L2SW1(config)# vlan 10
L2SW1(config-vlan)# vlan 20
L2SW1(config-vlan)# exit
L2SW1(config)#

⑵ L2SW1のF0/1・F0/2をアクセスポートとし,それぞれVLAN10・VLAN20をアサインする。

アクセスポートとは,一つのVLANのみに所属するスイッチポートのことです。あるVLANにアサインされたアクセスポートから,別のVLANに所属されたアクセスポートへ通信することはできません。「VLANをアクセスポートにアサインする」というのは,スイッチポートをそのVLANに所属させることを意味します。なお,デフォルトではすべてのポートがVLAN1のスイッチポートになっています。
先程の「子スイッチ」のイメージで図に示すと,以下のようになります。

次のコマンドを入力し,F0/1をVLAN10の,F0/2をVLAN20のアクセスポートに設定しましょう。

L2SW1(config)# interface f0/1
L2SW1(config-if)# switchport mode access
L2SW1(config-if)# switchport access vlan 10
L2SW1(config-if)# interface f0/2
L2SW1(config-if)# switchport mode access
L2SW1(config-if)# switchport access vlan 20
L2SW1(config-if)#

なおアクセスポートは,VLANと物理ポートが1:1で結びついているため,ポートVLANとも呼ばれます。

⑶ L2SW1のG0/1をトランクポートとし,VLAN10・VLAN20の通過を許可する。

トランクポートとは,2つ以上のVLANに所属するスイッチポートのことです。複数のVLANの通信を通過することができるので, トランクポートから出力する際,イーサネットフレームにタグを付与することで,どのVLANの通信かを区別しています。

トランクポートは,上位のスイッチやルータへのアップリンクとなるポートに設定することが多いです。ここでは,Rに接続するF0/24をトランクポートとし,VLAN10・VLAN20のフレームを通過できるように設定しましょう。

L2SW1(config-if)# interface g0/1
L2SW1(config-if)# switchport mode trunk
L2SW1(config-if)# switchport trunk allowed vlan 10,20
L2SW1(config-if)# end
L2SW1#

なおトランクポートでは,イーサネットフレームにタグを付与するこの動きから,タグVLANとも呼ばれます。

⑷ L2SW1にVLANが作成されたことと,I/Fに適切なVLANがアサインされたことを確認する。

show vlan briefコマンドを使うと,作成したVLANと,そのVLANをアサインしているアクセスポートの一覧を確認することができます。
なお,トランクポートは特定のVLANに所属しているわけではないので,この画面上には表示されません。確認する場合は,show interface <I/F番号> trunkコマンドを使用します。

⑸ RのG0/0/0を有効化した上で,サブI/Fを作成し,IPアドレスの付与とVLANタグの設定を行う。

今度は,ルータ側の設定です。VLAN10とVLAN20ではネットワークが異なるため,当然ながらデフォルトゲートウェイも別のアドレスである必要があります。しかし,L2SW1に接続されたRのポートは,G0/0/0しかありません。
そこで,G0/0/0という物理I/FをサブI/Fという仮想のI/Fへ論理的に分割し,そこにIPアドレスを付与することで,それぞれのVLANにとってのデフォルトゲートウェイとして機能させます。

ここで注意すべきなのは,対向のスイッチとカプセル化方式・VLAN IDが一致していなければならないということです。カプセル化方式というのは,VLANタグを付与して通信を識別するプロトコルのことで,ISL・IEEE 802.1Qがこれに該当します。

サブI/Fを作成するには,まずは物理I/Fを有効化します。その上で,例えば物理I/FがG0/0/0ならば「G0/0/0.1」のように,末尾に論理番号を付加します。パラメータを参照しながらIPアドレスを付与し,今回はIEEE 802.1Qを用いる設定を行います。

R# configure terminal
R(config)# interface G0/0/0
R(config-if)# no shutdown
R(config-if)# interface G0/0/0.1
R(config-subif)# encapsulation dot1q 10
R(config-subif)# ip address 192.168.10.254 255.255.255.0
R(config-subif)# interface G0/0/0.2
R(config-subif)# encapsulation dot1q 20
R(config-subif)# ip address 192.168.20.254 255.255.255.0
R(config-subif)# end
R#

⑹ PC1⇔PC2間の,およびPC1-2⇔SV間のpingに成功することを確認する。

正しくVLANとサブI/Fの設定が出来ていると,pingに成功します。